2023.11.10 プレスリリース
岩手県二戸市が主催する「漆の森づくりパートナー協定」を締結いたしました。
2023年11月7日、日本一の漆生産量を誇り、「漆掻き技術」がユネスコ無形文化遺産登録された岩手県二戸市が進める漆原木の資源確保事業「漆の林づくりパートナー協定」を締結いたしました。今後パートナー企業として、漆林の整備や管理・保全活動に協力し貴重な国産漆の安定生産に尽力してまいります。
漆が採れるまではおよそ15年から20年掛かるといわれております。締結日には二戸市内の漆の林にて地元小学生と200本の漆の苗を植樹し、未来の漆に願いを込めました。
●漆とは:うるしは「うるわし・うるおす」が語源であるといわれています。ウルシ科ウルシ属の落葉樹で、秋には赤く葉が色づき直径1m、樹高15mまで成長します。漆の木から採取される樹液を塗料、接着剤等に使用する目的とされ約9000年前の遺跡から漆の副葬品が発見されており現代まで日本の文化と生活に浸透し、受け継がれています。
●岩手県二戸市:今回の「漆の林づくりパートナー協定」主催者である二戸市は、日本国内における漆の最大産地として知られ、国内で採取される漆の約8割を生産しています。6月から10月にかけて職人が「漆掻き(うるしかき)」という高度な技法で、幹に傷を付けて樹液を採取します。1本の木から採取できる樹液はおよそ200mlで、非常に希少性の高い素材となります。二戸市の「漆掻き技術」は2020年12月「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
●国産漆:国内で使用される漆は、ほぼ輸入品で国産漆は全体の1〜2%です。この希少性は価格にも反映され国産漆は、輸入品と比べ非常に高価となります。耐久性と機能性に優れた国産漆は、国宝や重要文化財の保存・修理に使用されています。
●漆の用途:当社の蒔絵万年筆は、製作過程で必ず漆が使用されます。海外でも評価の高い日本伝統工芸の蒔絵を施した万年筆を安定生産する上で漆は必要不可欠です。将来、植樹した木が成長して採取された国産漆を使った万年筆を製作できることを願い微力ながらサポートしています。