万年筆についてABOUT FOUNTAIN PEN

万年筆の仕組み

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仕組み

万年筆で字が書けるのは、その仕組みにすべての毛細管現象が利用されているからです。
万年筆のペン先に紙を当てた時、紙の繊維の毛細管現象によって、インクがペン先の溝を通して引き出されます。
この時、引き出されたインクの分だけ、空気がインクスペアの中に入ります。
インクが出過ぎた時には、ペン芯の櫛溝に一時溜められ、ボタリと落ちるのを防ぎます。
この櫛溝にも、インク溝にも毛細管作用が働いているのです。
※毛細管現象:毛細現象ともいい、液体の中に細い管を立てると、管の中と外で液面の高さに差ができる現象。
紙では繊維のすき間がこの細い管と同じ働きをします。

構造と製造方法

一般に使われている万年筆は、ペン・ペン芯・首・軸・鞘・カートリッジインクの6つの部品で構成されています。
このうちペンの製造は、14K※1の場合では純金58.5%に、銀、銅、ニッケルなどを加えた合金インゴットを、ロールの間に何回も通し、中心が山型に盛り上がった帯状の板に圧延します。そしてその板からペンの形を打ち抜きます。
ペンに金合金が多く使われるのは、インクの酸に強いこと、適度な書き味のための硬さが得られる、などの理由からなのです。

また、ペンにはペンポイント呼ばれ、紙との摩擦に耐えられる硬い合金が付けられています。このペンポイントは、イリジウムとオスミウムを混ぜ合わせた粉末に瞬間的に高熱を加え、溶けた時の表面張力で丸められた玉を使います。
これをペン地金の先に溶接し、さらにインクの通る溝を切った後、紙への当たりが滑らかになるように研ぐわけです。
万年筆のもう一つの重要な部品に、ペン芯があります。この部分には必要なインクを流す溝や、余分なインクを溜めるダムのような櫛溝があります。
それらは現在では射出成形によって安定した性能が維持できるようになっています。このペン芯は成形後、インクが馴染むように表面処理を施します。
一方、軸・鞘には金属と樹脂製のものがありますが、いまは光沢と手触りに優れたアクリル系の樹脂が好まれ、これも射出成形を利用して、外側のデザインだけでなく、ネジやリングの埋め込みも同時に行い、製品の品質を安定させています。

携帯に便利で、机上で転がりも止められるクリップは、バネ製のある金属をプレス加工によって打抜き成形し、金メッキをかけて仕上げています。
こうしてバラバラに作られた部品は最後に組み立てられ、ペンポイントの日本の文字に合わせて、1本ずつ手で仕上げ研ぎをした後に、出荷されるのです。

※1 14K(14金):金を加工して使用する場合、銀や銅などを加えて硬くするのが一般的。この金合金の品位は、重量の24分のいくら金が入っているかによって示されます。14Kの場合は、金14に銀や銅を10加えた合金を意味します。

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